こんにちは、もんにちは。

今年は、世界中で異常気象が続く中、日本は特に災害が多い年となりました。豪雨被害、土砂崩れ、震災に過去25年で最も強い台風の被害。第二の故郷でもある日本なので、心配する一方、早急に復旧していく日本の忍耐強さと力強さ、そして技術力に脱帽するばかりです。

このような早い対応の手助けとなるのは、高い技術力と復旧を支える財力とも言えるでしょう。自然災害の多い日本の保険業界がその「財力」を担っていると言っても過言ではないでしょう。そもそも、保険は資産なのですから、前から蓄えた資産を使っての復旧といった方が正しいですが。

保険大国日本から学ぶものは非常に多いと自負する一方、モンゴルの保険業界は未開拓の地であり、今後も発展の余地が大きいと考えられます。

モンゴルで保険産業が始まってから83年となっているものの、その普及率は皆無に近く、金融資産に占める保険資産の割合はわずか0.8%、GDPに占める元受保険料収入の割合はわずか0.5%に留まっています。世界平均の6.3%や、途上国の平均の3.2%と比較しても、保険業界の発展余地は大きいものといえましょう。その遅れの原因として、民間企業や個人のリスクに対する考え方、制度的な未熟さ、保険会社への信用などいろいろなことがあげられるでしょう。

しかし、近年では、自動車の普及に伴い、自賠責保険、自動車保険等の義務化などをはじめ、保険業界の普及の兆しが見えて着ました。モンゴルの保険業界の収入である元受保険料は2017年で25%増、正味保険料は28%増加しています。2018年現在、金融規制当局より17種の保険商品を認定していますが、今後さらに自由化がされるものと考えられます。現状としては、モンゴルの保険業界で以下の保険商品が主となっています。

注:2018年上半期の元受保険料ベース
出所:金融規制当局

今後は、生命保険(死亡保険、医療保険等)、所得補償保険、海外旅行保険、個人賠償特約等の個人向け保険、貨物・運送の保険、賠償責任保険を含む多くの商品の当局認可及び税務上のメリット等が制度的に導入されれば、保険業界がさらに発展するものと考えられます。

そんな中、保険会社への信用向上に向けて、業界初となるIPOが9月18日に予定されています。2018年上半期において、業界最大手だった「モンゴル保険」社を追い越し、業界のトップシェアを勝ち誇った「マンダラ保険」のIPOです。

マンダラ保険は、これまでに注目されていなかった個人保険に注目をおき、マーケットシェアを伸ばして来ました。 

注:2018年上半期の元受保険料ベース
出所:金融規制当局

一契約当りの元受保険料は高いものの、景気動向に大きく左右されるリスクの高い企業向け保険ではなく、リスク分散化された個人向け保険に注目したことで、業績も好調であるマンダル保険は、2017年に10億トグログだった純利益を2018年に20億トグログ、そして2020年に55億、2022年に110億トグログに増大させると非常にアグレッシブなビジネスプランを立てています。その根拠として、個人医療保険や、自動車の車両保険等の浸透率が現状としては非常に低いが、株式公開による企業信用度の向上、積極的なマーケティングに伴い開拓の余地が十分にあると謳っています。現状、ウランバータル市だけで、40万台の車両が交通に参加している一方、その僅か13%に当たる5万台のみが車両保険に入っており、またウランバトル市の人口150万人のうち僅か5000人が任意医療保険に入っていることになっています。マンダラ保険は、株式公開から得られる資金を人員増大と効率向上に宛がう予定となっています。

業界最大手が株式公開することで、さらに期待される効果もあるでしょうと筆者が考えています。それは、業界再編。現状として、保険業界に大小17社の参加企業があります。企業信用の格差により、弱者強者が二分されることで、業界内でM&A等の活性化されるものと考えられます。

市場規模全体の拡大と、業界再編の二つの要因が働く中、保険業界はもっとも魅力的な投資先ともなり得るものと考えられます。

もんじゃ、本日はこれにて。