こんにちは、もんにちは。

当サイトにてコラムを担当させて頂いているゾリゴです。
再びお目汚し致します。

前回は、ちょっと政治?っぽい記事も試みましたが、やはり、私はどちらかというと経済ネタの方が性に合っているように思えます。

とはいいながら、今回も政治の愚痴も交えながら、めでたいニュースを伝いたいと思います。

先日、ゴビ砂漠、オムノゴビ県、ツォグトツェツィー郡にて、50MWの風力発電所が稼動しましたね。実に目出度い(&羨ましい)限りです。

このプロジェクトは、ソフトバンクグループで再生可能エネルギー事業などを手掛けるSBエナジーとモンゴルのNewcom社との合弁会社であるClean Energy Asia社によるプロジェクトであり、ソフトバンクグループによるアジアで再生可能エネルギーを開発し、国境を越えて融通する「アジア・スーパー・グリッド構想」の一環となっていまして、フロンティア証券による2013年の「Invest Mongolia東京」カンファレンスにも紹介されたプロジェクトなのである。

当時、私は、モンゴルのもう一つのメガ・プロジェクトである「新鉄道」プロジェクトを同じカンファレンスで紹介していました。実に「羨ましい」と思うのは、私が担当していたプロジェクトは、非常に採算性の高いプロジェクトで、モンゴルにとっても最重要プロジェクトの一つなのに、止まってしまったことに対して、同じ時期に発足した当プロジェクトは目出度く運転稼動したことです。

羨みながら、このプロジェクトを簡潔に紹介しましょう。

上にも書いた通り、2013年にInvest Mongoliaにて紹介されて以降、3年の月日を経て、今年初めにファイナンシャル・クロージングを果たすことが出来ました。モンゴルでは、プロジェクト・ファイナンスに詳しくない人は、建設だけを重視する傾向が見られますが、忘れられがちなことはその前の準備段階である「プロジェクト・ファイナンス」の段階なのです。

当該プロジェクトは、現地法人であるNewcom社と、アンカー・インベスターであるSBエネルギー社間でエクイティ投資が同意され、その後に、デット・ファイナンスとなるEBRDやJICAの融資も得、目出度くファイナンシャル・クロージングを果たすことが出来たのであります。建設は、もちろん重要ですが、ファイナンスに心配がなくなったら、そりゃ簡単なこと。約半年で定格出力2MWの風力発電設備を25基建設しました。

初年度の年間予想発電量は約2億kWhとなる見通しとのことで、発電した電力はモンゴル国内向け送電網に接続し、モンゴルでの国内消費を目的に供給する予定とのことです。

モンゴルでは国全体で1130MWの発電設備が設置され、電源構成は石炭火力が88%、ディーゼルが6%、再生可能エネルギーが8%。再エネの割合が低いのが課題で、2015年に国会で承認されたエネルギーセクターの中長期目標・計画(2015-2030年)では、総発電量に占める再エネの割合を2020年までに20%、2030年までに30%まで引き上げる目標を掲げた。

また、モンゴル政府は、二国間クレジット制度(JCM)について日本と最初に覚書を締結しており、Tsetsii Wind Farmについても、事業性を調査する段階で、経済産業省のサポートのもとでJCM適用可能性調査を実施しています。

もちろん、プロジェクトなので、困難もいっぱいあったと思われます。

2013年段階で一番の問題となっていたのは、タリフの自由化の問題でした。採算性を図るためには、タリフの自由化がもっとも重要なテーマの一つでもありますからね。

私は、このプロジェクトに直接かかわっていませんので、色々な問題がどのように解決されたのかは詳しくは分かりません。

でも、このプロジェクトが成功裏に終わったことは、実にお目出度いことだと痛感しています。パチパチ♪

だって、発案されたプロジェクトのうち、実施できるのは僅か十数パーセントという統計があるように、プロジェクト・ファイナンスは難しい分野ですから。

なんか、こうやって書いていると、自分がやっていたプロジェクトが止まってしまったことが悔しくて、愚痴ばかり書きそうなので、今回はやめておきます。

次回に、愚痴も交えながら、モンゴルの鉄道プロジェクトについても紹介出来ればと思います。本当は非常に儲かるプロジェクトであり、モンゴルにとっても重要なプロジェクトですが、政治的なバックグラウンドも色々あり、複雑なプロジェクトもありますから、このお目出度い話のついでとして書くのももったいないと思えてきちゃいましたから、出し惜しみしたいと思います。

もんじゃ、追々に愚痴を一杯聞かせますから、その時までに♪