こんにちは、もんにちは。

今日は、モンゴルの話ではありませんが、モンゴルと関係ない話でもないです。

モンゴルの将来モデルのひとつとして面白いものが出来そうなので、ここでも触れておきましょう。資源大国でありながら、脆弱な経済を持つモンゴルには、同じ資源国であるノルウェーやサウジ・アラビアなどから勉強できるものがたくさんありますね。

例えば、ノルウェイ。原油輸出に頼った経済モデルから成功裏に金融収入を得るモデルを構築、収入源を多様化できたノルウェイ。今や、ノルウェイ政府年金基金は2兆米ドルに達する世界最大の投資ファンドになりましたね。

当初は、単に通貨の安定化を目的とした資源収入を補完する目的で作られた当ファンドの収入は、今や資源収入を大きく上回る収入源となっています。

株式発行や、債券発行の際に、長期機関投資家であり、優良な投資家であるNorges Bankや、ノルウェイ政府年金基金が入っていることが、その発行が成功したかどうかの鍵を握るまでになるというものすごい優良ファンドにまで達しているのです。

脱帽するしかありませんね。

モンゴルも、未だ達成は出来ていませんが、同じことをやろうと目論んでいるのです。Erdenes Mongol(モンゴルの宝)会社を設立したのも、その目的です。資源収入を集め、当初は国内のインフラ投資に専念し、その後に更に投資先を多様化させるノルウェイのモデルをコピー&ペーストしようという目論みでございます。

与党・野党ともにこのアイデアに賛同しており、現大統領もこの案に大賛成なのでございます。実際に、2010年頃からこのアイデアを先頭に述べて来たのも現大統領なのです。

ただ、一つ問題点があります。

モンゴルの政治の不安定さや、法制度の未熟度、汚職問題などと言ったものをどのように処理するかが大きな課題です。乗り越えなければならない問題が山ほどあります。

と、前置きはおいておいて、孫社長は、またもやすごいものに手を出しましたね。

そうです。つい昨日サウジ・アラビアが5000億米ドル(約60兆円)ものメガ都市(ニュー・ヨーク市の約33倍の広さ)を建設する壮大なプロジェクトNEOMを発表しました。その目的は、原油に過度に頼った経済基盤の多様化。そして、この都市を100%再生可能エネルギーで稼動させるという、非常に「Ambitious」な目標を立てているのです。

世界最大の原油輸出国であるサウジ・アラビア。原油価格の下落に伴い、財政的に圧迫されていることをどのように回避するかという課題から出た結論は再生エネルギーの大規模プロジェクトということです。

実は、モンゴルでも、似たような発想が出ているのです。100%再生可能エネルギーで稼動する緑の都市「マイダル」の建設。都市計画が乱れてしまったウランバートルは環境汚染もひどく、交通手段も麻痺気味。そんな都市から都市機能を分散させ、かつ収入の多様化を図ろうという計画を現大統領バトトルガが数年前から目論んでいるのです。もちろん、巨大なプロジェクトは、それなりのリスクや、困難を伴うものであり、経済的実現可能性は現実的なものかどうかは、いまいち明確になっていないため、この計画は現在止まってしまっていますが。。。

話を戻しますが、サウジ・アラビアのNEOMプロジェクトの発表に、あの孫氏も出場。アジア・スーパー・グリッド構想の発案者であり、モンゴルでも風力発電所を作ったあの方にとって、一番興味がそそる話の一つでしょうね。このNEOMプロジェクトの構想は、孫社長が掲げるアジア・スーパー・グリッドに非常に似ています。エジプトやヨルダン等の国をつなぐ広大なスーパー・グリッド建設がその発想の根本にあるからです。

エネルギー産業やバイオテクノロジー、高度な製造業およびエンターテインメント産業を中心に拡大して行く都市とすると発表されているが、マスター・プランは未だ発表されていません。

このプロジェクトはサウジ・アラビアの政府及び、私的投資家によりファイナンスされるPPPプロジェクトとして発案されており、責任者に元Siemens社長のKlaus Kleinfield 氏が任命されました。プロジェクトの資金源の一つとして、サウジアラビアの原油大企業「Saudi Amarco」の5%の持分の売却が計画されており、これによって、3000億米ドル(プロジェクト費用の60%相当)が調達可能と見られております。

モンゴルも、このプロジェクトに学んで、既に始まっているアジア・スーパー・グリッドの恩恵を受けると良いですね。

もんじゃ、次回までによろしくお願いします。