こんにちは、もんにちは。

明けましておめでとうございます。

ぞりごです。今年の正月は文字通り寝正月を過ごしている次第です。「涼みやハルヒの憂鬱」をずっと見ていました。

いやー、しかし、利益とか、視聴率とか関係なく、やりたいことをやっているなあと実感しました。「涼宮ハルヒの憂鬱-エンドレスエイト」と言う話。わがままな創造神である涼宮ハルヒが夏休みが終わってほしくないと思ってしまったため、夏休みが1万5千回繰り返すと言う話。無限ループの話です。それをしっかりと記憶を持ったまま観察し続ける長門有希の心情を観客に共感してもらおうと言う企みでしょうか?全8話のうち、6話が全く同じ内容が永遠と流れるのです。「狂っている!狂気の沙汰じゃない!」と思えて来たのです。まるで、風邪を引いて、無限ループに魘されているかのようでした。

でも、なんか、すごい引っ掛かるんです。どんなに楽しい時期でも(イベント盛りだくさんの夏休み)、変わらずに、ずっと繰り返されるとどんなに苦痛かと言うことにあえて気づかせるなんて、日本のアニメもすごいねえ と。

と余談はさておき。本題に。

変わらない苦痛もあるが、変革が多すぎて苦痛と言うものもあります。モンゴルの経済、政治、法務環境はまさにそれの類ではないでしょうか? 安定とは程遠く、まるでローラーコースターのように変化し続けるモンゴル。そんな中で、機会をチャンスに変え、高いリターンを得ることも、大きなリスクにさらされてすべてをパーにしてしまうこともどちらもありうるのかと。

そんなモンゴルの環境、情報を有することはリスクへの対応として最も重要ではないでしょうか?

そこで、未だ年明けて間もない中、2019年1月から有効になる法律について情報発信したいと思います。

1. 最低賃金が一ヶ月32万トグログに

2019年1月からモンゴルでの最低賃金が32万トグログ(約13,000円)に引き上げられました。前回の引き上げは2017年1月の24万トグログだったので、2年ぶりに33%引き上げとなっています。ちなみに、2018年11月現在において、給与所得が最低賃金の人口の割合は7.3%となっています。賃金の中央値は73万トグログ(約3万円)、平均値は103万トグログ(約4万2千円)となっています。我ながら、最低賃金を一気に上げすぎの気もしますが。。。これじゃあ、給与全体を底上げする効果と言うよりも、カテゴリーとして再配分しているとしか思えないためです。経済が活発化され、実質給与が上がっているのであれば、分かりますが、2017年1月から平均給与は96万トグログから103万トグログにと7.2%、実態をより鮮明に表す中央値が68万トグログから73万トグログにと6.8%しかあがっていないのに対して、最低賃金が33%も増加は非現実的にも見えます。インフレ率を考慮した場合、2017年1月から2019年1月の間に、実質賃金はむしろ下がっている現状なのです。(2010年を100%とインデックス化した場合、2017年1月は154.2%なのに対して、2018年11月は153.4%と0.8%ポイント下がっています)

では、最低賃金が増加するとどんな影響があるのでしょうか?

以前は、罰金等は最低賃金の何倍と言う単位でした。そのままでしたら、単に罰金等も33%増加すると言う結果となりますが、新法律では罰金の単位を最低賃金と紐付けなくなったため、必ずしもそういった影響はないようです。もっとも、罰金等を絶対値で表すことに対して若干違和感はありますが。。。インフレ率8%の国で、それって、機能するんですか?と言う疑問も。無駄に法律を調整しなくちゃならなくなるじゃないですか?

では、罰金は大丈夫と。他にどういった影響が?

まずは、外国人従業員がいる会社にとって大打撃となるでしょう。外国人一人を雇うのに、モンゴル人従業員を最低8-12名雇わないといけない制度があるため、名目上の雇用として最低賃金で人を雇っていた会社としては影響は大きいものと見られます。そして、外国人労働者を雇うことで、最低賃金相当の金額を国に支払わないといけないので、ダブルで費用が嵩張ることでしょう。

2. 社会保険料が1%増加

2017年7月に発行された社会保険法により、社会保険料は2018年に2%、2019年に1%、2020年にさらに2%と合計5%増加しています。若い世代が多い国家なのにも関わらず、社会保険基金が常に赤字であることを懸念して、IMFとの相談の上、1)保険料の引き上げ 2)年金受給開始年齢の引き上げが提案されました。平均寿命が未だ短いモンゴルでは、先進国同様に65歳から年金需給開始年齢を設定するのはおかしいと反対が起きた結果、年齢の引き上げこそは見送られましたが、社会保険料の引き上げが続行しています。中小企業等において、社会保険料は重荷となっている現状、また年金基金やその他の基金の運営の透明性が問われる中、このような引き上げは必ずしも良い策とは私には思えませんが。むしろ、社会保険浸透率を上げるための政策に力入れるべきだったのではないでしょうか?と言う疑問が生じます。どちらにしても、今年度と来年度において、社会保険料が引き上げられると言うことで、企業側としての負担はいっそう増えるでしょう。

3. 酒税5%増

同じく、2017年に提案された法律によって、酒税が2018年に10%、2019年及び2020年に5%ずつ増えることになりました。お酒大好きな私にとっては痛い話ですが、上記の社会保険料等と比べ非常に良い政策ではないでしょうかと感じています。モンゴルのお酒(特にビール等)は非常に安く、また消費量も多い中、国民の健康等を考えても、このような政策には賛成せざるを得ないと思っています。一方で、毎月1日に禁酒日にするとか、酒場の営業時間を制限すると言った非現実的な政策は撤廃してほしいのですが。

年を越して、パーティをしたいのに、飲食店がやっていない!→家庭内飲酒が横行する→家庭内犯罪・暴力が増えると言った負のスパイラルから脱出するべきかと思っています。

4. アルコール依存症・麻薬依存症の者への強制治療導入

「アルコール依存症者、麻薬依存症者を犯罪から守るため」と言う名の下で、強制治療が行われるようになるそうです。初犯(?)だと3-6ヶ月、再度の場合は6ヶ月から1年間の強制治療が行われるみたいです。皆さん、気をつけて下さいね。

5. 借入金上限額、収入の7割相当に

個人が銀行等から借り入れできる上限額を定めました。税引き後の収入の7割を越えないものと定めており、また借入期間は30ヶ月を超えないものとすると言う規定です。ただ、これは住宅ローン等を含まないものとなっています。無謀な借り入れをする人々を守る法律なのは分かりますが、個人的には物事に上限や規制を導入することに反対派として、あまり良い策とも思えないです。リスク審査は銀行や専門のところに任せればよいのではないでしょうか?

と、新年早々、若干愚痴めいた投票になりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

もんじゃ、次回までに