こんにちは、もんにちは。

新年二回目のコラムをお送りしたいと思います。

今回は、ちょっと疑問に思っていることや、政治家への愚痴といったところでしょうか。。。

皆様、中国で一人当たりGDPが一番高い都市はどこか知っていますか?
北京? 上海? 天津? それとも、最近ITブームの深圳?と思うでしょうが、そのどれでもなく、内モンゴルのオルドスなのです。一人当たりGDPが2015年時点で33,344米ドル、購買力で表した場合59,920米ドルにも上ります。

南関東の一人当たりGDP(購買力)が41,716米ドルと比較しても、圧倒的な数字です。

そして、このランキングの7位に同じ内モンゴルのブガト(包頭)市(モンゴル語で、鹿が出る場所って意味)、8位を同じ内モンゴルのアルシャー盟がそれぞれ38,981米ドルと38,634米ドルで占めています。

北京は21位、上海は23位となっていると比較しても、その豊かさは明らかでしょう。

内モンゴル全体でも、中国の各省や自治区の中で8位の20,554米ドルの一人当たりGDPとなっています。

内モンゴルの経済基盤の構造はモンゴルに非常ににていて、主な産業は鉱業(石炭)、農業と言ったものとなっています。それを効率的に工業化でき、輸出につなげられたのがモンゴルとの違いと言って過言ではないでしょう。

と長々と隣国の(かつてはモンゴルの一部でしたが)話をしましたが、まずは、モンゴルの可能性について述べたいがため、そして蒙一つ実は先日の二つの報道で政治家に腹が立っていることを書きたいがためです。

モンゴルで計画されているプロジェクトはたくさんあります。新鉄道プロジェクトやインドと一緒に考案中の石油精製プロジェクト、ロシアから中国をつなぐ高速道路プロジェクト、ロシアから中国をつなぐ天然ガスパイプラインプロジェクト、銅精錬所プロジェクト(先日の報道では、世界中の10の大手精錬所からオファーがあったとのこと)などなど、ここに並べるだけでもめんどくさくなるほどたくさんのプロジェクトがあります。

それぞれがちゃんと動いてくれれば、モンゴルほどの小さい国の発展はいとも簡単に出来ちゃうでしょう。

そうです。私が腹を立てているのが、そういったプロジェクトの邪魔をする、約束を守れない政治家たちなのです。

先日、2011年から考案され、フランスのGDF Suezや日本の双日、韓国のPosko Energy、モンゴルのNewcom社のコンソーシアムとコンセッション契約まで結ばれていた火力発電所Vプロジェクトがモンゴルエネルギー省よりキャンセルされたというニュースが流れました。出所はアメリカ商工会ですので、その真意や、何故キャンセルされたのかまで詳細はわかりませんが、私は怒っています。

海外投資家の労力や信用を踏みにじり、モンゴルにとってマイナスに働く決断を出す政治家は大逆罪で罰するべきとも思うのです。

ま、キャンセルになったのかどうか、キャンセルになったなら、その理由は何かを理解せずにあれこれ言うのもなんだしと思って黙っていましたら、次のニュースが目に飛んできました。。。

鉱業・重工業省の副大臣の発言。

彼は「オユートルゴイ契約はモンゴルにとってメリットがない。なので、オユートルゴイの稼動を止める!」と報じたのであります。重大なポジションの人が、モンゴルでもっとも重要な鉱山の生死に関わる発言を軽々しく報じたので、目を疑いました。

これは、モンゴル政府の意向なのでしょうか?もし、そうであれば、彼らは誰のためにこんな軽薄なことを企んでいるのでしょうか?と。

翌日、スミヤバザル大臣がこの報道に対して弁明していました。「これは、モンゴル政府に意向でも、当省の意向でもありません。彼個人の意見でしょう。ただし、このような重大な発言を軽薄に溢すようでは、彼を辞職させるまで政府に働きかけるべきでしょう。オユートルゴイの契約については、賛否両論はあるでしょうが、私個人では、RioTinto社からモンゴル政府が借りている借金の利率(Libor+6.5%、つまり現時点で約8.5%)を下げる交渉はするべきであると考えていますが、稼動を停止させるなどの過激かつ投資家の信用を落とすような政策をとるべきではないと考えています」とまともなことを言っていました。

一安心であります。でも、まだ安心し切れません。そもそも2016年の経済危機の発端は2013年にオユートルゴイ契約を変更するべきだというポピュリストな政治家の言動が発端だったと言っても過言ではありません。投資家信用の氷河期が訪れ、直接海外投資も激減し、さらに世界のコモディティ価格が暴落したことなどが原因です。

いずれにしても、軽薄な言動をする政治家は、決して許せません。

と、若干ネガティブなポストで、今回は終わりにします。

怒りを静めにお酒でも飲みに行こうっと。

もんじゃ、次回まで。