こんにちは、もんにちは。

なんか、最近この響にロビン・ウィリアムズ氏の「グッドモーニング・ベトナム」と同様な喜びを覚える自惚れゾリゴです。

お久しぶりでございます。

さてと。

先日のガソリンの価格の高騰、それにまつわる長蛇な行列や、国の政策(特別税の控除や価格の自由化を巡る論争)に加え国民のフラストレーションと言ったことが注目を集めていましたが(先日ボルシュカがコラムを書いています)、その傍ら注目を集めていた事項がありました。

そうです、それは所得税の引上げや定年退職年齢の引き上げに関する国民のフラストレーションです。

今まで一律10%の所得税ですが、2017年に段階的所得税率の導入が決定され、2018年より実施が決まったのです。光速の決断の早さと言えるこの政策は波風を立てたのであります。

150万トグログまでは10%、そして150万トグログ以上250万トグログ未満の場合15%、250万トグログ以上350万トグログ未満の場合20%、350万トグログ以上の場合は25%となる決定でした。

そもそも段階的所得税率に関しては肯定派の私でさえ、その決定と実施の間の期間の短さや、有識人の意見や研究、計算、シミュレーション等を全く無視した態度等に戸惑ってしまいました。

一応はモンゴル人国民の85%以上が150万トグログ(約7万円)以下の月収となっているため、人口の多くはこの政策より寧ろ得をする(税金控除額の引き上げもこの政策に入っているため)ことや、この税制改革を経て、税収入が年間600億トグログ(約30億円)増えるなどのポジティブな影響を謳って出た政策でしたが、これが猛烈な反対を受けました。

「国民を豊かにするのが義務のはずの政府が逆に今でも少ない中級層を貧困層に引き落とそうとしている大叛逆的な決断だ!」

「辛い労働環境下で血汗流して金儲けしている炭鉱夫たちを狙った悪徳政治だ!」

「税収入がどのように使われているのが不透明な中で、税率を上げ、国民の血汗を自分らを肥えさせるべく考えついた悪徳政治だ!」

「一般市民、中でも教育者や医者の平均賃金が月に60-80万トグログ (約3-4万円)に留まっているのに、法務大臣が乗っている車が30万ドル(3000万円)とは、国民を馬鹿にしすぎ!」

「平均寿命69歳の国民の定年退職年齢を65に定めるとは、一体どういう神経だ? 金を毟り取るだけむしり取って、あとは「はいどうぞ、死んで下さい」と言っているのと変わらないじゃないか!!!」

などと言った不満や反対の意見、抗議が多数なされ、結果、現政府の100日目となる1月に本税制の見直しが中止となりました。

ま、今の政府としては中止にしやすい政策だったのかも知れません。だって、前政府が決めた政策ですもの、他人のせいに出来、かつ自分らが善人であり、国民の味方みたいな見せ方も出来ちゃうのですから。

しかし、私は不満です。というのも、モンゴルの政府に最も欠けているもの、それは俯瞰的見方や、政策の継続性であるのに、こんなにコロコロ一旦決めたことを変えていられては、投資家も、事業主も色々判断をするのは難しいからであります。第一に、なぜ政策を考案した時に色々なシミュレーションを行いや国民、有識者の意見を聞かなかったのですか? どういう反応が出るかを計算しなかったのですか!?

と、不満は一杯あります。

ま、でも、不満ばかり言っていても始まりません。

今回の件は良い側面もあります。

まずは、事業主や投資家としてビジネスをする環境が厳化しなかったことです。消費税も、個人所得税も法人税とは別枠で、支払うのは個人ですから事業主や投資家に関係ないです!と税務局の人は説明しますが、かならずしもそうではありません。個人は総合で支払う金額や、手取り賃金を重視すため、競争力のある価格や賃金を提供するために、事業主もその一部を負担せねばならなくなるからです。2018年から税上げとなったもう一つのものがあります。アルコール類です。10%の増税でした。私、バーも営んでいますが、これに合わせて値上げすることは出来ませんでした。その対価としてお客を失うことになりますから。同じ理屈です。

第2に、もっとも重要なのは、国民の意見が政策策定者たちに届いたことです。

2017年のInternationalbudget.orgからのサーベイによると、モンゴルの財政収支は非常に不透明という結果となりました。100点満点中46点ですから、落第点です。ちなみに優等生はニュージーランド(89点)、南アフリカ(89点)、スウエーデン(87点)、ノルウェー(85点)となっています。日本は102カ国中27位の60点と、ま、赤点は逃れたものの、成績はC程度でしょう。

その中でも財政収支に関する市民参加に関しては悲惨的な数値となっています。なんと、100点満点中7点ですよ?落第点どころではありません。市民参加が十分に出来る期間の確保がなされていないことが最大な理由ですが、市民意識も問題も潜んでいます。ちなみに、日本も優等生ではありませんが、それでも20点となっています。

そんな中で、市民が意識を持って問題提起すれば、政策はギリギリでも変えられると言うのは分かったことが今回の勝利の最大の利点と言えましょう。

と、最近愚痴ばかりを言うおっさんと化しているのを反省しなければなりませんが、情報はバイアス無しの真実を伝えるのが良いでしょう。

もんじゃ、次回までに♪