チメド・フレルバータル財務相が7月3日、ツイッターで「負債総額1兆720億トゥグルグを抱える人間開発基金の返済債務を完全履行した」と投稿した。さらに、同氏は「モンゴルの富基金(モンゴル版プロパティ・ファンド)と称される『未来の基金』はその史上初めて貯蓄を出来た」とし、「預金残高は1673億トゥグルグだ」と加えた。

「未来の基金」をは2017年に創設。設立当初から巨額な負債を抱えていた。というのは、政府が鉱物資源収入一部として将来的に納付されるはずの資金を事前に拠出させ、それを「人間開発基金」を通じて国民へ分配してしまった。ばら撒いた資金は、約1兆7000億トゥグルグという負債となり、当該基金へ欠損金として計上された。昨年度は同基金の積立金残高は約6200億トゥグルグとなった。負債額から積立金を差し引いて、負債残高は約1兆720億トゥグルグ。今回は、負債全額を支払ったこととなった。

一方、2017年から発効となった現行の「未来の基金」に関する法律では、鉱物資源収入一部を財源に運用される同基金について「2030年まで資金拠出が認められない」との特例措置が設けられている。だが、一部の国内有力メディアが「与党は、当該基金に関して資金拠出禁止の特例措置を排除し、国内大規模開発事業に対して出資できる制度にしようとしてプロパティ・ファンドに関する法律の一部を改正する法案を審議入りする」と報じている。

なお、2075年代まで同基金積立金は約1750億米㌦に膨らむとの推計もある。